外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅳ 圧倒的展開(あなたにわたしは見えていますか?)『神様に生まれた罰』

手袋を渡されながら見おろして「あなたはグラスを磨く布です」

子について部分についてわたくしについての家庭を築きましょうか

生きるってなんのことだかわからなくなったベッドの他人の背中

肉体の有限性を指先で探り当てては箱の中身は

神様というのは単に空洞であるってことではないのでしょうか?

わたくしとあなたはこれからどこにでもある穴になり常闇でしょう

愛と呼ぶならば別段止めはしませんが単なる巨大数だよ

忘れるか箱から出してすぐ食べるインスタントであったころなど

それはもう勿論退屈というのは知性が満ちれば感じませんよ

容れ物の大きさ分に比例した感情ですか? あなたのそれは

ちょうどよい毛布がそこにあったからくるまるごとくこどもらを抱く

椅子のことわたしを待ってる平面と思えば単に座るだけです

まあべつにおわるとしたってわたくしという瑣末さのおわりですから

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