約束をひとつもしない約束を自分ひとりでつけた八月
へんな踊りしか踊れない間違った子供ってことバレたらダメだ
引き出しを下から全部開けたあとドラちゃんどこって小さな声で
いつのまに世界に誰もが消え失せてしまったのだろう夜の病院
助けてと夜の闇へと投げ込んでひとりぼっちでポーカーしてる
カレールー割って溶かしてそのほかの材料のこと忘れたふりを
おそろしくおもえるほどに近づいてしまった夢の中での話
むらさきの花を探してくださいと冬に言われた夜だったのに
とある朝逃げられなかった現実を突きつけられてまた始めよう
おとうさん俺を罰して本当の愛を教えて幸せにして
十年は傷にまみれた悔恨の針を踏みつけ流れ落ちた血
眠りながら無垢でありつづけた罪がほしくて眠ったわけじゃなかった
孤独とは全員関係ないという巨大な憂鬱感と断絶
裏返すメモに書かれた謎々を生涯解かない約束をする
体温を忘れていくよ僕はただ身動きできない無人の砦
したのだろう はれたるそらに差し出した布団を忘れ戻らぬなどを