外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅲ HOME GARDEN『はかをつくる』

愛情をこめて育てたらしいって噂は聞くがなんかごめんね

通勤の車にかける音楽を君が選んだって設定で

モニタにはうつらぬわたしの胸中を花に例える陳腐な朝だ

破瓜を創る 創刊号には空想の女を抱いた誰かの話

昼さがりオノマトペなら感情の厳密性を気にはしないよ

相槌を打っているってこと自体気づかれぬまま電車に乗った

ひとりでは生きられぬならあなたという泉に溺れてゆく夜である

本当はぜんぶをなくした王国に行けたら泣いてもいいんですよね?

墓を作る わたしがわたしという型を続けるというとむらいをする

恋というだれしもがする陳腐さを現実と呼ぶ恋をしようか

個人的心情ならば孤独です 君を亡くした自我があります

花束を作って帰る愛された子供であった責務を果たす

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