愛情をこめて育てたらしいって噂は聞くがなんかごめんね
通勤の車にかける音楽を君が選んだって設定で
モニタにはうつらぬわたしの胸中を花に例える陳腐な朝だ
破瓜を創る 創刊号には空想の女を抱いた誰かの話
昼さがりオノマトペなら感情の厳密性を気にはしないよ
相槌を打っているってこと自体気づかれぬまま電車に乗った
ひとりでは生きられぬならあなたという泉に溺れてゆく夜である
本当はぜんぶをなくした王国に行けたら泣いてもいいんですよね?
墓を作る わたしがわたしという型を続けるというとむらいをする
恋というだれしもがする陳腐さを現実と呼ぶ恋をしようか
個人的心情ならば孤独です 君を亡くした自我があります
花束を作って帰る愛された子供であった責務を果たす