外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅲ HOME GARDEN『ほんとかな』

手のひらに線をきざんで生きていく不条理であるまた朝が来る

裏返すメモに書かれた謎々を生涯解かない約束をする

おかあさんにさよならをする方法が見つからないの壊れたピアノ

さよならの練習ばかりをしていたら誰を好きだかわからなかった

埃っぽい部屋でみんなは見失うっていう遊びを繰り返しする

見つけたら真実だったなんていうまどろみだった部屋に立ってる

愛してるなんて言葉を許したらたぶんどこにも行かないのにね

名を呼んだあとに見つけるかくれんぼ強迫観念という執着

揺れる樹が少し怖いな 関係を持てない俺を責めているから

手を振って名前を呼んでるおまえらが信じる俺は誰なんだろう

Phantomは何者の名か 汝仮面をそして一切を棄てよ

指先からこぼれて落ちてゆく死からふいに目覚める 魂がある

ピアノから聞こえる肉が溶ける音 全部いつかはなにもなくなる

ペガサスに早くなりたい バラ色は血が通ってる証拠なんでしょ?

最初から間違えたままの罰として早く自分を亡くさなくては

Phantomは最後に死ぬって運命を何度観たって覆せない

窓からは誰も来なくて深夜二時鏡を合わせてただ待っている

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