缶コーヒーあけて気づいたおれの人生は廃棄処分が終わってること
ライラック薫る木立で喘いでるあんたの死ぬとこおれに見せてよ
アツアツに煮えた油により走る嫌悪の獣の死後廃油抜く
ローソンのあちらこちらに立っているのはいつか死ぬ温い脳味噌
知りたいな箱から出たら死ぬという地球育ちの運命のそと
神様に祈る言葉は性急な性欲十五の衝動みたい
前髪を切れと言われる労働のかわりに大学行きたかったな
弁当を捨てる午後二時思い出す子供の頃に乗った飛行機
生き延びる不幸をあげるはつなつのガラス片から落ちるプリズム
ぬばたまのやみよどうにか始まった冷たい友よ永遠にゆけ