外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

架空 Ⅳ(百万年) 滅びる種

僕たちは悪い夢のただなかで明日の供物を拾い集めた

正義とは人を殺すということだそれでもごはんを君と食べよう

はらからよつよきおまえの跳んだ日の殺人機械を今日受け入れる

裏切って僕らの永らえ続けるをおまえはきっと呪うのだろう

灰色に終わりつつある桃の実にうずもれる指 ゆるやかな罰

毎日を一矢報いるため生きてそれでもこの手は裏切っている

心音が等速である僕たちと同じ形の掌を抱く

僕はまだ撃ち落とされて雲の中おまえを見送っている途中

生き延びることそのものが戦いと知らぬおまえの無垢は淫らだ

ずっと前気づいたときは黙ってた 僕らは滅びる種だということ

ハッピーなエンドは来ない日常を今日も生き延びましておめでとう

ひとりぶん与えられてる世界だけ救った僕の今日が終わった

ヒロイック・ファンタジーより帰還してシャツにアイロン施す夜だ

僕はただおまえが咲いたこの星で死ぬまで生きていたいだけだよ

おまえなき春を僕らは生きていくことで君への挽歌を贈る

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