外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅳ 圧倒的展開(あなたにわたしは見えていますか?)『ノンプレイヤーキャラクター』

夕闇に紛れてあなたが呟いた真理を忘れてしまったみたい

永遠の少女になってもいいよこの庭でみんな一緒にいられるのなら

彼女には名前と歳と外見と内面とあと設定と設定がある

もう二度とわたしがわたしであるという夢は見ないと約束をする

わたしたちが単なるわたしになる前にあのね、あなたのこと好きでした

ファミレスでお茶を飲んでる時間さえだれかがわたしをみているらしい

「わるいやつだ」そう思うの?「つらいことをやるのはわるいやつだ」そう思うの?

この橋を落とす斧はこれだけど君は選んでいいよ、どうする?

まどろみのなかに事実があるような日もあるとしてキャンセルを押す

あなたには自分が悪いと思いたい欲望があるのでは? しらんけど

マリア様あなたほんとはなにひとつわからないままだったんでしょう?

怒りからひろいあつめた貝殻を敷いては踏んで耳を澄ました

いつからかうつろという名のすがすがしい風がわたしになってゆきます

ノンプレイヤーキャラクター、あなたとおなじくらいわたし、どこにでもいるよ

参加者にならせてくれてありがとう、世界、ありがとう、わたしの世界

薔薇を捨てる 生きとし生けるものが皆枯れるまで咲くという運命

役に立てて良かった わたしまだ善い子のままで永遠になる

こんな意味「Home Garden」だけど単に「HOME」 花‪が咲いてる

やさしかった車に並走するだけのわたしの冬のからっぽ終える

あなたはもうわたしをあいしているのならいいですよって許してあげた

どれほどに本を読んでもわからない世界の蓋を閉じる方法

そんじゃまあ神様やるね死ぬまではだらだらやってくだけっぽいから

ぷっつりととぎれたブラックボックスのなかで五億年ぶりの自我だ

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