外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

架空 Ⅲ(ふたりきり楽園に) 極点の鷹

愛ゆえに凝ってしまう鳥ありきおまえを守る極点の星

肯定の言葉は最後にとっておき胃で生まれたるナイフを抜いた

不確定事項だ友情なんてものぼろぼろぼろぼろ 血の味がする

ことばにはならない感情ばかり増え ならない できない したくない ほか

望まれて毒薬ばかりを調合しわたしはひとりで媚薬を呷る

おまえとは一緒に暮らせる日は来ないコーヒールームで逃げ出されてる

何度でも教えてやるから死に方をちゃんと覚えて一人で死ねよ

生まれては死んでしまった尊厳をひとつ、ひとつ、おまえの口に

難易度が上がってゆく蜂回転しどこでもゆける切符となった

天辺へひとさしゆびを差し出してエスカレーター式の接吻

意味しかない オゾン層から脱却し俺は誰にも負けないだろう

極点を描いてふたりは等間に空を見ている 鷹を抱く

俺たちは永遠に生きるのだ。人間はかたちなきものを信じる。

天上は消灯間際のバス停で最後のナイフをわたしは捨てた

泣き方を教えたおまえの羽根を抱き極点の鷹俺を愛せよ

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