金属のてすりのにぶさにつかまってお兄ちゃんなら捨ててきました
泣く子供がいるべき世界はここじゃない 冷たい冷たい神様が来る
ねえきみは僕の名前を知っている? 走っていったまっすぐな靴
うまい絵を描けない僕はみにくくてばらばら死体をおまえは踏んだ
はぐくんでゆくこときみの手のひらに心臓くるり包まれている
読んだ本読まずにおいた本などがばらばらに死ぬ蝶々きれい
僕たちは強いチームをつくろうよ 不完全さは罪悪である
ただとても幸せあなた穴蔵で刷ったマッチのようにあかるい
人間になる方法を教えてよ 地面をゆっくり歩くこととか
猫ならば手に入れるもの手に入れずブリックパックをふたつ並べて
ブラジャーは蝶々に似て怖いからひとりで凍った踊り場になる
生存者二名を乗せて走りますどこかへ連れ去るためのバスです
心臓をいくつも潰した月が出た 知らないくせに勝手なもんだ
そういうの恋って呼ぶって知っていた 公園に入らないって決めた
わたしはね、ヒーローショーには行かないよ、月曜日には帰ってきてね
きっとまた帰ってくるよと誰ひとり言わずに遠くへ行ってしまうの
そうやって僕だけ僕に追いつかれ浜辺は止ったまま知らんぷり
何度でも忘れて何度でも生まれるなんてこと信じちゃってる愚かな僕ら
輪廻するデータが私を規定するならば私は千年の虫
残念なことだったよねココアからのぼる匂いにあなたがいない
からからと自転車、乗合バス、月、並んで転がり続けたおぼろ
窓に手をみつけたみたい月まではどれほど時間がかかるのだろう
いまはここ 選んで乗った回転のすべてを愛してゆけますように