外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅳ 神様に生まれた罪『言祝』

雑音がなかったような王国をあとにしました 目を閉じました

まちがいのないことばかりがあるわけでないし楽しい暮らしをしよう

あなたからはじまる先にある糸の意図からのがれえぬもの

遠ざかるわたしとあなたの垣間見のしるしをつけた おしばなだった

部屋の隅四回ながめて全部から助けを得たら目を閉じなさい

若いとは完成しないきらめきをほどいて結んで惜しげもなくて

雨のない夏だ君から出て行った銀のうろこが乾き始める

接続は運より調査の問題です 並んだ石を並べるように

伝統を引き継ぎにゆけ紛いもののようには見えぬふりして

現在を未来ととりかえっこするための未来を買った わかるぶんだけ

はちきれんばかりにただしいものであれまちがいであれはちきれないで

美しいという言葉に含まれる大きな羊のポン酢しゃぶしゃぶ

蒸し暑い土地柄ですので浸透圧を高めにしておきましょう

みだらなるゆめをみていたゆうなぎの耳から食べてしまいなさいね

おにごっこ、さくらんぼ、はる、どこにも見つからない思い出

おわったらおしえて昨日海辺ではいったいあなた何だったのか

おともだちたちがそらからじめんからふりゆくあしたを夢みてねむる

聾せよ 宇宙の霧のごとどうでもいいと うろたえないで

我が夏が全てになる日よ知らぬまま君を救ったさいわいの朝

小説できりぎりすたちが×ばかり雷雲に返す いい夏だった

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