home > 2022年8月
街の灯のひとつをつくる渋滞の列につかまるような夜でも どんなにか甲羅が熱いと思っても河童一匹地元から出る たそがれるために集めたビール缶袋に入れてしっかり振った 情熱をこめて三割引きになるのを待っているスーパーの棚 一日をひたすらよく焼くために待つ解凍された厚切りの肉 よく焼いておくよ本日向き合っていたあしうらの痛みと共に 黄色くて丸いシールを脳天に貼って「おまえは俺がもらうね」 缶ビールふたつで足りず出てゆくかゆかないままか対話が続く あのひとがもういないって確認を昔話のように話した 粗熱が取れたらホットプレートを洗うついでに愛を語ろう
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月刊予定と週間予定を全部いっぺんに立てながら仕事をしたのでめちゃくちゃになりましたが、冷蔵庫に良い匂いの炭酸水があり、そして焼き肉セットが買ってあったので全て事なきを得ました。
カーテンが揺れる部屋から窓の外ぽっかりあがる夕焼けがある あるくとき草の匂いがいつもしていたのは子供だったからだよ 情熱を傾けている傾いた首がもどらぬほどにななめになって いつも言う言葉は呪文のようであるおはようだとかそれだけだって パフェの中に転がっているひとつぶのナッツを探すように寂しい 下校中立ち寄る喫茶店でだけ教えてもらえる数式がある 帰り道一段高い場所からは降りてはいけないつかまりますよ 教室でまどろんでいる本たちがわたしを探している声を聞く コップまで遠くて飲めない水だったあなたの声を聞いている時 夜が来る前に揺らしたブランコの上に誰かがいるみたいだね
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広島県立美術館でやっている安野光雅展に行きました。展示はすごくよかったのですが、時間配分を間違え、常設展を駆け回ってしまった。
学校って通っていた頃は大嫌いだったのに学校を模したものはかわいいと感じて不思議だな。
雨の日に指が滑ってゲーム機をとりおとしたら裏側の海 青色の香りのきゅうり半分に切って網目に編み上げていく コップには半分の水ためておく明日の朝には捨てるのだけど 歩けてるときに歩いておきましょう放射熱から逃げられないよ 夕暮れに圧倒的な青が来ていずれ終わると知りつつ浴びた Tシャツがびたびたになる一日を終えてさみしい涼しさである 心音がたかくなったら部屋にあるだけの布地を濡らして待とう 近道をしても取り戻せないまま間にあけた距離をなぞった やめようか迷う時には星を見るように決めておくといいらしい 心理的な溝をたのしく埋めておくことで明日もまた会いましょう
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昼間は意地で起きているのですが、日が沈んだ途端眠ってしまい、結果22時頃に起きて途方に暮れている。なにをすべきか……なにをするべきないのか……。
恵まれた人生であるチョコレートケーキを食べている時だけ思う 活発なお子さんですねいえこれは実在してる時の話です 運命をギアチェンジして坂道を登る時にはちょっと一曲 進みながらそれでもこれより悪いことないでしょうって言い聞かせては 前側に抱いた丸い魂をつぶさぬように明日まで運ぶ 疑わぬためにケーキの三つ分たぶん余っているかもしれない 一緒にいるつもりで並べた歯ブラシのひとつの封は開けてないまま 浸み込んだ靴の水気をうっすらと含んだ厚みを齧れるかもね 違う違う愛した人がいなかった未来は今すぐ食べてしまえるでしょう 食べちゃった予定をひとつスキップし床にこぼしてそこに座った
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夕方になると本当に眠くなり夜が終わっていくのをどうにかできないものか。やはり早寝しかないのか。
フライパンあたためておく時間には三回転をご用意ください 虚空から取り出されてきた打粉ではなかなか伸びないクッキーの生地 部屋の角に並べて置いた像の数何回見てもどうも合わない 焦げている自分を何度たしかめてギリギリ生きているらしかった 見覚えないはずの景色を歩いてる道の角からあなたに会える あなたから言って欲しくて待っている水辺で呼ぶのは簡単だけど 兎から取った光の粒を撒くことで完成する予定です 紙切れを割いては白い雪にするいずれかならず冬は来るから セイレーン夜勤が続く朝からはスタバに寄ってあくびをひとつ 海の波いつも見覚えないはずであっていつでも同じでもある
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毎日、昔話の登場人物のことを考えている。厚みがなくて良い。
よく見える星をいちばん先に言うゲームをしてはいけない道で 青色の砂漠を作るため明日東急ハンズに行かねばならぬ スカートの裾を持ち上げたとき待つ白い夜風をもう少しだけ リモコンを片手に持ってこめかみに当てたら別の人のスイッチ 木星が熱すぎるから神様は膨らみ続けてもうわからない 熱すぎるスープをコップに入れたまま朝が終わってしまう一日 季節とは呼べないほどに少しだけ暑さ寒さを調整したい カーテンの端から端までくるまって太陽光を直に見ている 死んでいた人が昔いたって街をゆく全然普通の街を歩く 十個分食べたあとにも後悔はしていませんよと約束をする
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Twitterを見ていたらカヌレを10個買った人がいました。
小澤俊夫『昔話のコスモロジー ひとと動物の婚姻譚』を読んでいたら、日本人は異類の恋人に冷たいとヨーロッパ圏の人にたくさん言われた、という旨が3回くらい書いてあって、ちょっとかわいかったです。
はにかみのリレーを繋ぐネックレスずるいくらいに短い棘だ ねずみがもうなずみでなくてよかったねはずみでもなくてほんとに 牛乳瓶ふりかぶったら受取手いない力がくずれていった いつもそう動物たちは笑わないだけってことはわかってるから 人生はもうはりねずみ自在にはいかない靴の底を鳴らして 廃墟にはすきま多くてすれ違うゴーストたちと隠れんぼする いずれかの理想論から導いたらしいふわふわ よくできている 平らではあれないよ今食べているものばかりからできていないし 駆けていくものを視界の端に見る行ってらっしゃいまた会いましょう 初夏のりんご食べたら寝たふりがずれていくまで見ないでいてね
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人と短歌の話をすることなく無限に毎日10首詠んでいるのですが、今日は人と短歌の話をする機会があってよかったです。
「はにかみの」と「初夏の」は折句です。はりねずみが大好きな人みたいになってしまったな。たまたまです。
何もかもここから生まれたはずだった島を掬って持ち上げている 感想はないよ最後に回転を始めてもらった独楽止まるまで 行き止まりならそらへゆく角度さえ見出せたなら流れてゆくか 窓があることで呼吸ができている空から見える地上は遠い 旅をしていると答えたあと別の話がないか考えている 水があるところまでゆく途中では神話をゆっくり話してもらう 夜ならば冷えるだろうさ鰐たちも笑いを堪えて眠るだろうさ 口を開いたときに響いた音だった思ったよりも遠いところへ くるくるが止まるところを見届けたときは終わりでまあいいでしょう 勢いをつけて滑って落ちていくだけでわたしはいなくなれるよ
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色々あってナイル川のことを調べていました。広いところに行きたいな。
気絶するように眠りに落ちる時あれに似ているハンカチ落とし 風が吹くように思えて窓を開けてはみたけれどオレンジの夏 喫茶店の机低くてボールペン投げ出したなら一筋の水 神様がおしえた寂しい音楽をまだ覚えてる新月の夜 立ち方を毎朝覚えているという謎を抱いて次の一歩を 新月は空に開いた穴のように間違いのない真円である 炭酸水飲み干したならわたしには思い出せなくなるべきだった 嫌になるまでほしいって頼んだら一片くらいくれるだろうか 川辺にまだいるね誰しも信仰を捨てた神様月へ行っても サメたちが口を開いて待っているけれど月のかけらは落ちず
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自分のしくじりにより明日の休日返上で病院に行くことになり、へこんでいます。
遠くから聞こえる声ならなんだってお告げなんだと受け取りたいな 天ぷらの油がパチパチいうくらい高温になるなら救われる くまさんを何匹買ってもひとりでは眠れぬ夜がまた来るだけだ パフェグラスいつも思ったより高くどんどん沈むスプーンを見た 熱病のせいになるなら自己嫌悪以外のことばで表現できる ほかのひとが悪いってことになればいいハッカ油を痛いほど嗅ぐ 砂漠には赤という名がついていたことを知らずに生きてきました お茶を買うように言われて来たはずの道のかえりは猫背の迷子 自分だけ取り残されているような気がして買ったコーラひとびん 他人になる機械ほしくてメルカリの検索ボタンに裏技がある
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急にエジプトについて勉強を始めました。