外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅳ 神様に生まれた罪『赤いしたたり』

ゆるされない生者を生きる生きてゆく生き延びる罪のコンビニ弁当

正しくは迷子ではなく夕凪の空耳にならわかる審問

まだ僕は落下を続ける血しぶきのなかからおまえを救えずにいる

喪失の午後だ母親殺しには行けないままで窓には豪雨

濡れている手を掴んだらおしまいの日は来るでしょう未来予想図

迷い家を導く子供が喚いてる「正しいと言って、君は、僕を」

手紙には終わり以外を書き込めず捨てたよたくさんたくさん食べた

間違いをさがしてごらん見つけたら目を閉じてごらんもう閉じてごらん

母のない子として死ねよ王国のことはどうにか終わらせるから

深夜見た贖罪のない配給によく似たバンに運ばれるもの

いつの日か俺がどこにもいなかったような夕焼けを見つけてね

ウォーターメロンと呼ばれる懐かしい味を齧っている肩と肩

家族ってたとえば呼び合う罪と罰と呪われた国家について

句読点以上の夢が見られない朝を繰り返す悪い送り火

事実ではなくとも真実ではあったのではない? 目覚めて動悸が早い

どこにもないわたしがここにいることを証明し終えた革命前夜

聞こえない あなたのいない さりげない 冬の大地を踏みしめている

夜歩くことを思い出したけものは見るか終わりを見るか

新しい記事
古い記事

return to page top