外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅳ 神様に生まれた罪『おれはおまえの光だ』

憎悪とはどれほどの名かきりとった爪を一片ふみつけている

「ひかり」とよぶおまえの声に忠実に笑った凝った熱をおびた臓

ししむらをさぐりゆく指土下座して済むものならばもう死んでいる

愛をもってすべて許すというならば生きるってのはいったいどれだ?

まず足を。脱出の手を忘れたら言霊信仰の記憶を消せ。

生きていくさあ生きていくまた明日も名前を呼ばれてぬるくわらって

ララバイを通勤電車で歌ってた途中で黒曜石がざっくり

喉のない歌を並べてゆく先にぽっかりと開く肉の熱病

わたくしはそうしてからっぽになってごうごうトンネル ごうごう いない

呼ぶための神の名を持たぬじんせいにあなたはいない くうどうがある

なくなった喉で子守歌を歌う きこえないなあ おかしいよなあ

遠ざかるための装置を脳と呼ぶためにどうにもまだ死ねてない

どっちでも同じさ四角くきりとられたおれの視界に敵が明滅

「ひかり」と呼ぶおまえに微笑み返している どうも闇です 真っ黒ですよ

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