外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅲ 皆方探偵事務所異聞『夢幻境にて』

子供たち、見知らぬ街にゆきなさい、あなたはだれでもないものだから

けだものの名でわたくしを呼んでいるおとこのことを考えていた

間違ったつもりはなくてただ単にゆめまぼろしのうたかただった

dreaming,あなたはいつかわたくしを全知全能と呼んだでしょうか

バーテンダー越しに映った熊を見るなるほど、たしかに、似ているような

おとこにはみえないすがたのわたくしが待ちわびているネオンのしるし

「死」ってなんか、意外と「終わる」わけじゃない、みたいなんです、知ってましたか?

暗闇が怖い怖いと泣くひとを腕に大きな闇に似た熊

湿り気を帯びた呼吸の過不足のないおやすみを泣かずにどうぞ

「神様になったわけではないですよ。もしもし、あなたのうしろにいます」

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