外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅲ 皆方探偵事務所異聞『パラレルワールド』

気がつけば同じ道路の中央でたぶんあなたを待っていました

「もう二度と帰らぬあなたを待つ夜は来ないっぽいし、もう、いいんだよ」

ありきたりできれいな嘘をついている 並行世界なのかもしれない

手を繋ぐために生まれたことを知る夕暮れの道の世界の終わり

気がつけば病室にいるわたくしがTSUTAYAのカードを財布にしまい

いつまでもいつまでも生き続けてと呪った報いがハッピーエンド

「フローフシ」、あなたはたしかに永遠に万能のまま手のひら開く

凪いでいる残暑の昼の空白にあなたの好きな映画を借りた

手を繋ぐ毎にあなたを取り戻すための旅路のDVDだ

お帰り、おつかれさま、愛してる。明日から先の繰り返す澱ごと

新しい記事
古い記事

return to page top