外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅲ 皆方探偵事務所異聞『さいわいの硝子』

唐突に罪人となった朝が来て早く、誰か、僕を、指して

ひとり死ぬところを見たよ僕たちが並行世界で笑ってたころ

ふたりめが自分である日を祈ってる、君が「フローフシ」であること

夢でみたような気がした死に様を君に見ている煉獄、ごめん

君のいる世界に僕がいるという解釈に納得できずに夜は結界

ぐるぐるの螺旋階段の罪のある生まれたこと、そう、それ自体

ここにいる生きているまま罰を受ける「生きて」と君が告げる執行

虹の中を抜けて僕らは僕らという闘争の日をここに抱いた

我が夏が全てになる日よ知らぬまま君を救ったさいわいの朝

僕の指の冷たさを受け止めている傷ついた温い硝子の罅を

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