ぬるま湯にまぎれてごらん時計草もう臭わないもう大丈夫
嫌いならそれでいいからわたしからデオドラントのスプレー取って
十六夜あなたがわたしを見つけたらそのとき処女がおかされてゆく
きまぐれな夜光虫からのがれるため布団をかぶる生真面目な夜
バスケットゴールはわたしのものじゃない王国のある地下の足枷
「ねこがいるね」あなたのひとことがぐらりサークル ぐるり ぐるり
ずっと未来わたしがあなたを思い出す軽い一言「きもちわるいな」
じゃあいまから、中ボスくらいの悪役の真似をするね。すぐに死ぬね。
指ひとつかわさぬままの紺色の小さく畳んだ夜のひとつぶ
欠けてゆく月になれないあなたにはもうわからないわたしの名前
さあ先生夜のプールの無機質に落ちるわたしを迎えに来てよ
清潔なアルコールだけ満たされたあなたのからだにいま入水する