外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

Ⅰ 少し長めのお別れ『選択的色盲手術』

優越と愛と恥辱と絶望と馴れ合いと嘘とそのほか全部

間違ってしまったのはぼくのほう 奪い合うよりも与える汚泥に逃げた

赤色の名前を持った神様のぶんの衣装に触れる手のひら

「世界には二色だけある。赤色と、それ以外は全部緑、俺も含めて」

絶望の街を歩いて歩いても歩いても歩いても、これは赤ではない

水辺にて彼女が俺の手を引いてあらゆる女は肉色の夢

「赤色のペンキを被る絶望をついに受け止められずすまない」

ぼくを包む肉ではなかった青年が、ひとりぼっちで息をしている

燃えてゆけ僕の醜い幼児期の数限りない恋の破片よ

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