まっくらなくうどうのなかぼくたちが既に別個であったおもいで
「だってここで、さいごまでぼくら繋がってたんだよ。全部がはじまるほんのすこしまえ」
じめついていさささかあたたかすぎている何らかのメタファのような冒険をした
一個分の脳。一個分の心臓。一個分のおへそ。一個分の、きみになれないという事実。
「僕だっていつまでだって釣り堀にいられるんだって錯覚してた」
こんなのは間違っていると叫び声 あなたはわたし、で、あったことはない
なにひとつ自分で判断することのできない僕の左手 ではなかったひと
がらがらどん いつからあんたは兄さんと自分を事業仕訳してたの
「ねえお願い、どうか別個の人生を、生きていけると信じさせてよ」
養分を分け合うために生きていた僕の体の一部分たち
糖蜜の井戸の底から錯覚をしていたジャンヌ・ダルクのためのバッド・エンド
花束を差し出すならば釣り堀に投げ捨てたままもうさようなら
そして夜、僕は湿った胎内に似ている女の前で泣いてる