こどものひわたしあなたをしっていてだいすきだった「ならよかったのに」
まず名前を。それからあとで始まったあなたと時計の話をしよう
秒針の目を盗んではもう一度八月をやる いたずらもする
とめどない匂いのしない存在のしないぎいぎいきしむ諍い
掛け違う 全く見えない蝶結び焦って滑る 終わってしまう
くすくすと笑う子供の幻覚を玄関に見て目を閉じました
夕焼けにゆるぎない柚 混ざれない夢の外側で泣いている
はっきりと見えてはいないものを夏「壊れたんだな」確認をした
壊れてるおとこをひとり密室で飼い殺す八月の労働
乗っかって揺れて騒いで眠たくて終わって泣いて煙草の煙
翌朝に拾い上げてる履歴書の隅に書かれた悲鳴を捨てた
ころすっておもったことがありましたほんとのこどもの思い出 泣くよ
運命と呼びたくはない偶然の宇宙の塵の嘘の併走
さあこれから石炭袋へまっすぐに抱き合ってゆく歴史の終り
「卵は?」「両面」「粉がない」「紅茶淹れるよ」「死ねばよかった」