新しい星を作ろう 核爆発レベルで君と僕しかいない
もう組成レベルでおまえと別々になりたい 触ると壊れるくらい
死ぬ瞬間まで変わらなくていいという兄に「それでは殺してやろう」
宇宙では拡散される感情がすべて悪意に置換されうる
この星は君がいるから美しく逆説的にあれは醜い
笑ってるあの子の隣で笑うことを許すのは俺ではなかった
「ここにいて悪いと言われた覚えはないがだから良いという問題ではない」
新しい星では愛の定義からふたりで決めよう 死者の定義も
差し出した愛が逆流する感覚 どうかな? 次からうまくいくかな?
バオバブの麓で彼は微笑んで類語辞典の編纂をする
愛について語る言葉を千ほども選別したあと銘を刻んだ
硝子にはひとつひとつに刻まれた愛の台詞と絶望がある
「愛してる?」「愛してるよ」「自分より?」「同じくらい」「最高だね」「絶望だよな」
彼の手のなかにいま芽吹いてゆくこの花はこの世で最も青く醜い
そしてある日、星を締め付けたバオバブはばりんと全部を藻屑に変えた
地球って青かったよって告げられる相手がいないなどうしようかな