傷ついていない訓練を続けてるうちに終わったばらばら死体
弱ってる人間を蹴り殺すのは楽でいいだろうなあ!? 卑怯者!
本当の言葉を捨てよポエトリーだけなら誰にも聞こえなくていい
「愛してる」「愛してる」「愛してる」愛してる」「愛してる」深夜凍結
凍りつく夜にあなたは花たちのなかで静かに憎悪を知った
わたくしを誰も知らない王国の玉座に座る唐突な職
「部署が違う」「人生とはままならないものだし仕事があるだけいいよ」
「早く死ね」「ヒーローでいるうちに死ね」「黙れ」「さっさと蹴り殺されろ」
「あらほんといい男だったのに残念な話ねまあでも人は死ぬから」
どれほどの罪であったか生き延びて愛して信じ続けたことは
昔々、神様は人類から、共通言語を奪い取り、驕りを罰された。
戦場であらゆるノイズが大きくていったいおまえは何を言ってる
水辺には女神がひとり「あなたには与えられない十本の腕」
硬直した正義と可変の愛のどちらを選ぶかと問われた男は選ばなかったので恐怖が与えられた。それがこの世界のはじまりの神話であった。おまえに与えられたものではない。おまえは神話の外側にいる。
花たちよ俺の語った美しい言語の咲き誇らせてはくれぬか
「優しさと弱さは等価に同じもの」弟が言う「愛していたよ」
枯れ果てたすべての愛の最果ての彼のユグドラシルのおしまい
魚という魚を全て失った彼は与えるものを持たない
今すぐに君を抱きしめたい「誰?」「おまえじゃないよ」
枯れてゆく花を見ている聴衆がいない国です 正しいことだ
十年前起こらなかった戦争で死ななかった子が食べる牛丼
ねえ君が笑いと笑いと笑い以外なにかわたしにくれていたなら
さようなら、六分の一が単純に一分の一になったお別れ
青色にふちどられてる世界にはあなたがいるのにあなたがいない
世界中ありとあらゆる存在があなたの色でそしてそれだけ
そらいろに照射されてる彼岸へと嫁いでいった兄なき世界
「聞こえてる」「おまえの声は聞こえてる」「ずっと聞いてる」「そして」断筆
神話には書かれているか世界へと嫁いでいった芸術の名は
昔々、ひとりの芸術家が森へ入っていった誰も知らない