「わたしにはあなた以外は要らないの」合わせ鏡のまんなかにいる
僕とよく似ている兄が見つめてる鏡の向こうに「何が違うの?」
六分割された五人とあとひとり鏡の向こうとキスをする兄
反転した鏡の向こうの世界では女王に成れる 主演の舞台
ねえ兄さん、大丈夫だよ僕が明日、あんたを神にしてあげるから
「夢を見た」「そう」「おまえが友達で、俺にずっと、やさしくしてた」
鏡にはもう映らない兄さんをもう探せない 行ってしまった
六分割された僕らが五人いる 鏡のこちらに残されている
ちゃぶ台の下に落ちた鏡が割れていて向こうがすべて深い深い森
ぐちゃぐちゃに割れた鏡に滲んでる僕の血の味もう届かない
ぎざぎざに割れたハートのかけらだけ握りしめたらもう夜が来る
どうしてもおしまいになるゲームです「うまく整地が片付かないね」
ダメ詰めを放棄されてる午前二時ほんとはトイレにひとりで行ける
「チェス盤で囲碁はできない」「比喩なんておまえの柄じゃないんじゃないか?」
トイレには鏡がひとつ「ねえ、――――――」僕たちは似ていない