サイダーの缶をあけずに抱いている間のシュレディンガーの泡たち 一日にひとつと定められているのは復讐のよう いまだ習慣 キラキラの道が唐突に広がりこの道でなら踊れるはずだ 痛みはもうなかったどんな叫びから叫びへ移っていくとしても 指先に詰まったゴミが取れなくて手洗い場まで遠い気がした 泡となるのは苦しいか珊瑚たち願い通りに消えるだけでも スパイゲーム繰り返すような蒸し暑い夢の向こうに低い銃声 獣性を掻き立てて尚もう二度と起き上がれないただの棒切れ 道をゆけ飴玉を舐めろ死を謡えこの先にもう何もなくとも 泡のような日々を探すよいつの日か終わりたいって信じてるから
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腹が痛い。暑い。眠い。正直他に言うことはない。とはいえどうにか仕事を仕上げて送り出し、次の仕事に取りかかり、時間のスキマに絵を描き、次に何を作るか考えているので、普通の生活である。
冥冥の国という場所で困難に見舞われている人のことをぼんやり考えている。もう助からないと思いながら苦しんでいる人のことを。なんにでもいずれ終わりが来ると思うと救済のような気がしている。
『日々の泡』はボリス・ヴィアンの小説のタイトル。昔大好きだったサイトも同じ名前で運営してらっしゃったので特別なタイトルである。『うたかたの日々』という訳の方が通りが良い気がするけど。