一時間五百円の計算のケーキで購われたわたくし
重要なパーツをなくしたような朝コーヒー味の砂糖を飲んだ
神様に生まれついたら忘却の権利を買うため生涯あるく
父親になるためにつけられている細長い嘘が映る鏡
父親はあんなかたちをしていると見下ろした足跡の巨大よ
間違った場所でとにかくこれからはケーキを毎日焼きますからね
なにもかもスタンドプレイで行っているような街神様不在
あたたかいシリアルキラーの指先を暖め続ける迷路がぼとり
神様。わたしはあなたにどのようなたのみもしませんからそこにいて
さびしいよさびしいよ海 友達をのみこんだまま僕を食べない
おんなのこになりたくてうぶ毛剃りがんばっている夜風が凍みる
それならばどうしてあなたは神様のふりをしたまま戦ってるの?
神様のいない宇宙で生きていくけわしいハイヒールを買いました
あたたかな雪の牢屋の最奥で花芽をふかぶかと摘む
プーさんがハニーハントをしたあとに入るお風呂の泡の臭いだ