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リアリティラインの違う青年の自殺を見ている ラム酒を飲んだ
イカれてるんだよねもっと聴衆を叩き潰してくれるんだよね
平行の白を唾棄せよ現実はひびわれてゆく落下の過程
正しいも正しくないも揺さぶって運転手さんの舌打ちが鳴る
あたたかな夢のようだね 雪の日に殺されてゆく僕のおとうと
惑星をけして信じることのない温泉玉子の黄色のスーツ
死んだほうがいいんだよってふたりめのわたしに諭されている大戸屋
強い強い強い強い強い人間になれるはずだと呪われた猫
伝わらない言葉のほうが正しいさみんな地獄へ落ちるのだから
まちはみなわたしを憎んでいるのだと気づいたときにぱかんと割れた
化け物は人間のなか紛れ込み噛んだとたんにあなたは死んだ
フェンリルよ世界をいつか壊す日のためにうまれたおまえのなみだ
化け物は殺しておくから大丈夫穴のなかなら大丈夫なの
タオルだけ信じておくね 顕微鏡のぞいてのぞいてどこもふわふわ
まちはみな広場と広場の接続で広場恐怖という名の孤独
それなりに生きてるみたい離人感おわったあとのお風呂場の爪
あかつきの不安を殺すための銃口から白い粒があふれる
また／いつ／か／いら／して／くだ／さい 八百屋ではあおい果実が声を揃える
できるだけささいなことだけ覚えてる シャツのむすんだとこの影とか
あなたはそう、いつでも誕生日ケーキを食べたがってる迷子の子供
捨てられたわけじゃなくってただ単にダンボール箱だったってだけ
夢の中けたけた笑うあなたから一生分の★をもらった
誕生日ケーキを毎日食べている人が怖くて泣く零時前
出口から入れるように隙をみて番人の手をつかまえていて
わるいひとしかいないけど大丈夫おほしさまなら盗んでおいた
もうここを降りたくないとラプンツェルは斧でばっさり梯子を落とす
鉛筆のさきのさきまでとがらせて、さあ、この上で、踊ってみろよ
パイプ椅子百万年分並べたら片付けるまで夜が終わらぬ
王様の服を借ります。王様を殺します。それでおしまい。
名も知らぬ人を尋ねてマンションのメーターを五分見つめて帰る
リットルで汲めるタイプの愛を買い水曜とほうにくれて泣いてる
折りたたみ式の神様持ち歩く繁華街 夜 黙ってなさい
みな死んだ道をゆっくり歩きつつ遅刻するのは猫が鳴くから
生姜ラテ飲みつつ唱える呪いとはひとりで生きても大丈夫ってこと
好奇心は猫を殺すよそうやって猫はカサブランカ・リリーに
フィクションを信じなかった人たちをなるたけ殺すための効率
君はもう忘れてしまう飴玉を切り刻んでた裏庭のこと
ぶうわりと葛饅頭にうずもれた霧雨である午後弾く我
これからのあなたの選ぶピーナッツバターが間違っていますように
誰よりもえらくなれると思ってた ひよこが死ぬことさえ知らずに
おしまいの日は王子様ゆっくりと馬を走らせている意地悪
文法をなくしたあとでビックバンただ待っている余生の痛み
守られるときは気をつけて目を開くタイミングを奪われないように
まっくらな閉架で撃たれる日を待ってだれか、だれか、はやく、だれか
いらないのもう読まないのもう二度とあなたのお世話になりませんから
出られなくなってしまって閉架にてうるさい本にあいまで眠る
安全でありますように黄色にはあなたを裁く祈りをこめて
ケンチジになりたくなった人生のカラーチャートを確認します
いとけない貨物になって高速で運ばれつづけていられるならば
きれぎれの夜をみながら運ばれる高速道のかろやかな凪
朝以外全てが消えた新宿の月面基地の最初の一歩
セックスのマニュアルを書く 安心は作成できる架空なのです
かたくなな白い腕に似た春を迎え入れずに耳を塞いだ
下足場はみだら つるりと足首が飴のかたさで押し上げられて
イエス、ノー、ノー、ノー、イエス、雑音がひどくてまるで届いていない
死としての老いのかたちがつかめないままで戸惑いつつほほえんだ
長い長い結論はもうはじまっているから最後のナイフを磨け
ランダムな数字があなたを示す時一桁違いが誰かを消した
お財布を隠さないのは戦争をあらわすすべを知らないからね
戦いに自らさえもまきこんでジーンズを突き抜けている財布
おんなのこはわるいこだもう二度と未汚染状態には戻れない
お祈りとしての座布団まきつけた机の角を認知しなさい
口臭のためのFRISKさしだしてとしをとるのをこわがるひとみ
コンタミをこわがっているだれひとり呼吸をやめることができない
やさしくてあかるいかわいい女の子そして愚かだからいい子だね
FRISKを並んで舐めているおばあちゃんとの間に振り落とせ白
女の子であるということを受け止めるための飴玉 ね、そうなのよ
おはよう、リアルワールド さっきまで血を尻尾から飲んでいました
黄身ふたつ入った卵を作っては作ってはかき混ぜている夜
黄身ふたつ入った卵になれないとわかっているのに唾液を混ぜる
死にたいね、って神様の煙草の火浮かんだ間隔の先で泣くの
チップを盗むのははがき回収人みんな滲んで雨のなかです
機械化をするべきなのはたましいのねじのゆるんであふれたところ
関節を、かこん、かこん、かこん、外れないからロボットじゃない
死ぬのってかんたんだから明後日の晩御飯になる左足首
ころされるがわのひとだといつの日か気づいて楡の下にゆけない
解決の手段が空から降って来て美少女戦士に殺戮される
実在をしてないみたいに生きるんだ 段ボール箱で死なないくらい
神様の材料を揃える 指差したその手はたしかに神様っぽい
リムーバブル・ディスクに神の名を封じ肩甲骨の間から in
理想とは空白であることなのだ と言う神にコルクを抜いた
ゆるやかに飲み干されてゆく五円玉 数珠つながれたぼくらの内腑
あのひとは死んでしまった世界です 汚染 汚染 汚染されてる
さよならさよならさよなら オフィーリアなら人魚になれる
つま先を他人任せに探らせたきれいな猫を探しています
赤い傘は僕のこいびと突き刺して全部を肯定できるこいびと
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