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かつて竜だった日

かつて竜だった日に見た雨粒に映った小さく見えるわたくし 
恋について理想について死について考えているもう朝が来る 
旅をするときに一箱キャラメルをあなたの鞄にしのばせておく 
ここはもう何もないみたい穴の中潜ってどこまで確認しても
滝行に似た週末を過ごしてるうちに人間滅亡だった
ケチャップをたくさんつけて食べてみる地元で流行りで箱に詰まって
晩秋の頃にふたたび来たいかもしれないですね前世みたいに
水辺には小さき犬が転がって水をひとひらすくって飲んだ
実際は起こらなかった出来事を楽しく楽しく思い返した 
いずれ宇宙を泳ぐ日にはこの背には思い出ばかりが載ってただ行く

1ヶ月くらい前、精神状態が落ち込んでいたとき、ちょうどちょっとまえ(この更に一ヶ月くらい前)100日チャレンジというのが流行り始めていたこともあって、短歌を毎日10首詠もうと思い立ち、それが今日で40回目でした(1日に2回詠んだ分も通算で数えているので、40日目というわけではない)。

このWordPressの整備をしたところ、ブログ部分をさっぱり使っていないことに気づいたので、せっかくだからブログを書こうと思い、毎日の短歌にコメントをつける形なら続くんじゃないかと思いました。という形で続く限りやってみようと思います。

コメントといっても別に解説というわけではなく、連想したことをちょこっと、その日あったことを短歌とは別にちょこっと、くらいになるでしょう。たぶん。

短歌は2013年の秋から始めました。あのときも忙しく、具合が悪くて、そして急に短歌が詠めるようになり、毎日30首くらい詠んでいたように思います。多分具合が悪い時の方が詠めるタイプなのでしょう。

時々いろんなところに書いているのですが、わたしの短歌はおおむね全部フィクションで、ごくたまに自分の人生自体にフォーカスして書くこともありますが、基本的には嘘を書いています。架空の人間が架空の思考を巡らせて架空の何かを見ている短歌を詠んでいます。

わたしにとって短歌は連想ゲームの型なので、その向こうにわたし自身を読み取られることに対してあまり心地よい感覚を抱けないというのが大きな理由です。連想ゲームは連想ゲーム、発想の飛躍は発想の飛躍、飛躍しないでここにいるのがわたし、というわけで、わたしは短歌には(ほとんど)関係がありません。たまに意識して自分の話を書くこともありますが。

『終幕TRPG 冥冥の国』という自作TRPGを作りました。7/1に正式公開で、準備は終わったので、今はリリース前鬱に陥っているところですが、それはともかく、「竜と犬」は『冥冥の国』のシナリオのひとつです。竜は滝の下で雨乞いに応え、犬の人生は竜にとっては一瞬でした。おしまい。

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