神様になれと言われた。なりました。よるでもしらじらひかるまちです。
迷子にもなってみたいな待合の真白い壁に凭れかかれば
迷子にはなれぬ真白い顔の子が廃墟の俺を睨みすえたり
まなざしに幼い顔が覗く時いつでも真白い恋をしている
永遠に愛され続ける罰を得ておまえは俺を兄さんと呼ぶ
捨て子にだけ見えている服 黄金がしっかり抱きしめているような服
毒槍をつきつけられてまた恋に落ちておまえが憎くてならぬ
決然と壊されてゆく俺たちのここまであわされなかった指が
傷のないふりをしている金の薔薇ばらばら砕ける時をこらえて
ほんとうの俺を見つけてその愛を夏のおわりにくれてやってよ
あなたさえ薔薇を薔薇だと言うならば醜い俺はどこにもいない
ぴかぴかに磨いた彼の黄金のひとつを奪えばあなたのものだ
ぬるまった指で触れると傷痕が破れてしまう やめてくれ
はじめから喪われていた両腕をおまえのなかに探した不覚
墓場には俺の愛した子ではなく俺の亡骸だけが埋もれて
ドアの鍵は閉めたか? 兄さんはおまえを守ってやれはしないよ
兄さんと呼ばれる資格だけ持って前人未到の星へ旅立つ
ぼくのぶんぜんぶあげるね いいからね あしたもぜんぶもっていってね
虐殺の朝だ望みは叶えられおまえはひとりで目覚めるだろう