冷雨 午後からの予定に欠けているだれかの所在問うコール音
腐っている流しの梨を捨てられない優しいだけの人がいました
ばらばらに崩れてしまうベランダで光合成に多すぎる閃
神様になってください簡単な手続きだけで光が出ます
それじゃあな俺は寛解するけどさおまえも星に帰るといいよ
ここでまだアポロをふたつに割っていて あんたに空が落ちちゃう前に
てのひらが内腑いずみからのびてひらりと弱く沈んでいった
うどん屋のうどんの熱さが罰してる俺を今すぐ救ってくれよ
扁平な腹から再度生まれゆきただ銀色に光りたかった
ねえルート選択できてないみたい あんたが生きてる分岐がないよ
湿り気が澱としていま遅い来る蛙の自殺が止められないの
関節球体人形がばらばらに床に倒れて投げかける キス
ウィンドウ並べた隙間にさしいれる罪深い夜ブラックアウト
できるだけあんたの言葉を聞いておく有事の際に持ち出すために
全員が彼の傷つく顔色を忘れたような静かな生活
もう二度と解凍されない包装をラップの向こうにかさりと触れる
防腐され守られている君全て限りなき愛パウチしておく
死に方は君さえいれば忘れない明日も明日も明日も明日も
システムを愛するという観点であんたのいない世界を作る
あんたより早くに死ねる権利まだ買えてないから明日も、またね