外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

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どこへいく

上手ではない指先のゆくさきに咲いてる花の手伝いをした
こぼされた赤いしたたり満足にひらいたようで微笑んでいる
蝉たちがずいぶんうるさい校庭を横切ってゆく誰もいないね
もう秋が来るからひとけのない街をサボっていこう電車に乗って
河童には河童の法があるという赤錆びている鎖を抱え
手を繋ぐように叩いたスマートフォンまた明日まで熱を抱いた
海鳥が鳴く岸辺なら思い出になるのだろうと瞬いている
落ち葉からそろそろ黄色くなるという宣言を聞く夏が終わるね
ねえもっと先に行こうよ明日にはたぶん終わっている夏だから
しゃぼん玉大きく一個飛ばしたらあとはうつぶせに目を閉じる

夏が終わるなあ……。夏、ちゃんと終わるんだなあ……。

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