外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

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秘密の園

ベッドから見える地平がなによりも広くて狭い夜がまた来る
軋むのは夢魔がやってきたという秘密の園が見つかったせい
どうしようもないと千回唱えたらどうでもいいが来ないだろうか
眠りにつく前に聞こえた「明日というものを片付けておくからね」
あらゆるを食べる獏から盗んだのはあなたに捧げる猿の人形
順番を抜かさないでね間違いがないとまだはっきりしていない
猿だったことあるらしい我々の比喩の意味ではふさわしいから
全身にゆっくり触れる爪の端が輪郭を知らせてくれている
おいでって誘われたのは死んでって頼まれたのと多分同じで
臍の下あたりに秘密の園がある 奪われたからわたしではない

たまに発作的に性愛の歌が詠みたくなります。

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