外マドレーヌ─哉村哉子いろいろ置き場

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見覚えない

フライパンあたためておく時間には三回転をご用意ください
虚空から取り出されてきた打粉ではなかなか伸びないクッキーの生地
部屋の角に並べて置いた像の数何回見てもどうも合わない
焦げている自分を何度たしかめてギリギリ生きているらしかった
見覚えないはずの景色を歩いてる道の角からあなたに会える
あなたから言って欲しくて待っている水辺で呼ぶのは簡単だけど
兎から取った光の粒を撒くことで完成する予定です
紙切れを割いては白い雪にするいずれかならず冬は来るから
セイレーン夜勤が続く朝からはスタバに寄ってあくびをひとつ
海の波いつも見覚えないはずであっていつでも同じでもある

毎日、昔話の登場人物のことを考えている。厚みがなくて良い。

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