月を見る時にわたしは走ります月がどこまで来るか知るため 丸顔の店主がふいに窓を見て「もうじき月がふたつになるよ」 溶けていくチーズの味を思い出しながら自転車を漕いでいく 焼き魚の骨を抜いたら急にもう崩れて消えてしまった夕餉 知り合いがいるかもしれないパーティーに行くかどうかはコインで決める ざらざらの舌先が熱を帯びていておまえもどうやら生きてるらしい 死ぬまでにトランプひとくみ取り出してジョーカーだけを連れてゆきたい 単純に分厚く切った羊羹を頬張っておく随分黒い 零時とは思えぬほどの明るさの真円である月を見上げる わたしとは切っても切れぬ関係の月と呑んでる酒のゆらゆら
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狸のことを考えていたので月見の歌を。
祝! 納品待ち0! となり、雑な飯をダラダラ食べたあとで、米を炊いていたのを忘れていたと気づきました。冷凍しなくては……。